貴方の傍らを離れたくないから。
ずっとずっとそばにいたいから。
私は私の翼を、千切りました。
真っ白かった翼は赤く染まって。
鮮やかな赤色は、私の貴方への愛の色のようで。
愛の証のようなそれが、私はとても愛しく感じました。
傷はとても痛いけれど。
瞳からは涙が溢れてくるけれど。
けれど、
手負いの私を、優しい貴方はきっと手放さない。
また傷を負わないように。
また涙を流さないように。
鳥籠の中にいれて、大切に大切に守ってくれる。
自由なんていらないの。
貴方のそばに、いられたらいいの。
広い広い青空なんて見たくない。
貴方のことだけ見ていられたらいい。
私の瞳は、貴方しか映さない。
私の耳は、貴方の声しか聴こえない。
私の口は、貴方への愛しか囁かない。
だから、
籠にいれて、閉じ込めて。
鎖で繋いで、離さないで。
二度と、私を置いて行かないで。
自由ってなぁに。
それは嬉しいこと?
それは幸せなこと?
みんなはそれを欲しがるの?
けれど。
私はいらない。
自由なんていらない。
――ただ、貴方の籠の中にいられたらいいの。
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